「にゃー…にゃん♪」

  【NYAN!!】

  今日は忙しかった。えーと、何人殴ったっけ。
  トムさんが「給料上がるぞ」って言っていたし。働いた甲斐があるってモンだ。
  だから今日は早く帰って寝よう。明日からも働くために。
  そう思って急ぐ足をもっと急がせたとき。俺の耳に何か聞こえた。
  「…にゃー…にゃ…」
  猫か?声が弱っているように聞こえる。ふと下を見ると、段ボール箱があった。
  『拾ってください』
  こんな事書くくらいなら捨てるなっつーの。むかついたけど、こいつどうすんだよ。
  「畜生。鳴きながら俺を見るなよ。拾わないといけないじゃねえか…」
  我慢できないから拾った。このままこいつを見過ごすわけにはいかねえし。

  「…にゃー」
  「牛乳、美味いか?」
  ちょっと撫でようと思ったら引っ掻かれた。
  「みぎゃー…!」
  「警戒してんのか」
  「みゃー」
  「しょうがないよなあ…捨てられてたんだし」
  そう言って溜息をつきながらも、こいつをどうするか考える。
  まだ毛が逆立っているこいつの行き先はどうなるのか。
  「なあ、お前どうするんだ。俺が飼うのか?」
  「…にゃ…」
  「何を言っているのか分からねェよオイ」
  たぶん、俺が飼うことになると思う。
  「飼うからには捨てる事もないようにするからな」
  猫に向かって誓った。…端から見れば凄く間抜けだよな。

  「んー…」
  「…ゃー…にゃー…」
  重たい。何が乗っかって…
  「にゃー!」
  「うわっ!!」
  そうか、昨日猫を拾ったんだった。
  「ったく…」
  何だよこの猫は。すり寄ってくるし。もう慣れたのか?
  「牛乳持ってくるからな」
  そう言って俺は牛乳を持ってきた。
  「にゃーv」
  猫は俺の足に頭をすり寄せて嬉しそうに鳴く。…あ。
  「俺も食うか…」
  引っ掻かれた傷のある手で、こいつの頭を撫でながら。

  ―戸惑いながらも始まった、一匹と一人の生活。


  -----後書き。
  きっとこれはいざにゃんです。普通の猫でもいいね。全然分からないから。
  命名するのはいざやんみたいですよ。そのうち絶対言わします。シリーズ化すれば。
  いろいろと案はあるので、時間があれば進めていきたいです。…多分…。
  いざにゃんはシズちゃんをご主人様だと認めたのです。ご主人様愛な感じv
  …いざにゃん萌えー…最高。愛しています。でも自分うまく書けない。撃沈★
  05.4.14 けっぱ