「兄さん、邪魔」
  
  
  
  【妹たちは反抗期★】
  
  
  
  ニーハオ。麗鳳だ。
  今日のステージは飯塚食堂。対戦相手?見れば分かるだろう。
  
  「兄さん。邪魔。どく」
  俺の妹、リーレイと。
  
  「兄さん……こんなことをしている暇があったら仕事したらどうなのかしら?」
  同じく俺の妹、イーリーと。
  
  「いくらあなたがお義兄さまだからといって……負けませんよ」
  同じく俺の義弟……じゃない!イーリーの影!そう影だ!影の、憎き愚犬狗木!
  
  「この犬畜生が…妹は渡さゴフゥッ!?」
  「兄さん……誠一を馬鹿にしないで」
  「ありがとう。イーリー」
  「いいのよ。兄さんは気にしないで撃っていいわ」
  
  
  クッ……!
  「こら貴様等!俺を無視して話を進めるな!」
  俺は兄だというのに、この扱いはなんだイーリー!非道すぎるぞ!
  それに……
  
  
  「なんで貴様等が青で俺一人が白なんだ!」
  
  
  「あら、いいじゃない。いつもの色で」
  「そうですよお義兄さん。俺なんか……いつものコートが青ですからね」
  「赤、好き。可愛い。なのに。青、不満」
  
  「……っ、きっさまらは……!」
  愚民どもから見たら、妹たちが俺にストライキしているかのように見えるじゃないか!
  
  「うるさい」
  リーレイは基本攻撃(Aボタン)で鉄パイプを思いっきり俺の背中に打ち付けた。
  「ぐはぁっ」
  「邪魔よ」
  イーリーはふらついた俺を上必殺技(Bボタン+上)で空中に上げた。
  「ふぐぁっ……」
  
  いかん、これでは隙だらけではないか…!って愚犬。お前何を持って居るんだ。
  それはホームランバットじゃないか。こらこらためるな。先が光って……
  
  「イーリーは……俺が貰う!」
  
  かきーん!という軽快かつ痛快な音がした。
  
  ああ……俺は空を飛んでいる。
  ホームランバットで横スマッシュ(スティック横はじき)は、卑怯だ。卑怯すぎる。
  
  
  「誠一…」
  「あっ……ごめん……つい…」
  若干顔を赤らめている二人と眠っている少女の耳にはとても綺麗な、澄んだ音が聞こえた。
  そして俺は星になった。
  
  
  
  
  
  
  The END.
  
  
  
  
  
  「って終わるなぁあああ!」
  「復活!?」
  俺があの程度で終わってたまるか。ストックくらいあるに決まっているだろう!
  「兄さん。見苦しい」
  「煩いぞリーレイ……糞犬め!」
  ストックによって復活した俺は、狗木から潰すことにした。
  
  妹に付く虫は、今の内に潰す!
  
  「クズが!」
  必殺技で青竜刀を振り下ろす。狗木はガードもしなかった。
  「ぐっ!」
  「喚け啼け叫べ狂え!」
  「うあっ」
  俺が斬る度に、愚犬は呻く。それはどうしようもない快感となって俺の身体を突き抜ける。
  
  「ハハハハハ!無様だな。無様だな狗木!」
  そう、俺は快感に身を任せ、本能のままぶった斬っていた。
  そのとき。
  
  
  
  ごん。
  
  
  「うちで喧嘩するんじゃないよ!」
  「ぐあああああーっ!」
  俺は包丁の峰というものでダメージを受け、飛ばされ、場外になって終わった。
  
  
  
  
  
  
  
  
  「全く兄さんは……困るわね」
  「それもイーリーのことが好きだからさ」
  「兄さん。うるさい。寝るぅ。できない…」
  
  
  
  試合終了後も、リーファン兄貴は大ダメージを受けましたとさ。
  
  
  
   
 
 -----後書き。
 白鷺さん宅の絵茶にて書かせていただきました…!
 そして使い回しでゲーム企画にアップです。ビバ、使い回し!
 06.05.14 けっぱ